2026 年の Firebase Authentication 最新料金解説とおすすめ代替サービス
この記事では、Firebase Authentication の概要と重要なポイントを解説しています。Firebase Auth とは何か、その料金体系のサマリー、そしておすすめの Firebase Auth 代替サービスについてまとめました。
この記事では、Firebase Authentication の概要と重要なポイントを解説しています。Firebase Auth とは何か、その料金体系のサマリー、そしておすすめの Firebase Auth 代替サービスについてまとめました。
まずは短い答えから、詳細は後述します。すべての料金は 2026 年 7 月時点の Google 公式料金ページ(Firebase 料金、Identity Platform 料金)より引用しています。本ガイドは Firebase Authentication のみを扱い、Firestore や Hosting など他製品は別途課金となります。
Firebase Authentication とは、Firebase(Google 提供の BaaS プラットフォーム)に内蔵された ID サービスです。メール/パスワード、電話認証、ソーシャルログイン、SAML/OIDC連携 など多彩な方法で Web やモバイルアプリのサインアップ/サインイン処理を担い、Firestore や Cloud Functions など他サービスと統合されています。
Firebase Authentication 単体でも利用できます。他の Firebase サービスを契約しなくても、認証だけなら OK です。無料/有料の範囲とIdentity Platform アップグレードの必要有無、スケールした時の課金の仕組みを理解しておくことがポイントです。
Firebase Authentication は Spark プラン(無料) と Blaze プラン(従量課金) の2パターンです。どちらにもIdentity Platform アップグレード(MFAや SAML/OIDC、監査ログなど追加機能やエンタープライズ SLA を提供)を追加できます。
よく混乱されるポイントですが、Identity Platform 自体には追加料金がありません。有効化は無料・移行の手間なし・ライセンス料無しです。課金はアップグレードによって有効になる Tier 1/Tier 2 MAU 単価 や SMS 料金テーブルの利用料分のみ。Google の Authentication 価格ページも、これが理由でIdentity Platform ページへ分岐されている構造です。
| 機能 | Spark プラン(無料) | Blaze プラン(従量課金) |
|---|---|---|
| MAU 上限(メール/ソーシャル/匿名) | 50K | 無制限(50K まで無料) |
| メール+パスワード | ✅ | ✅(Tier 1) |
| メールパスワードレス(リンク認証) | ✅ | ✅(Tier 1) |
| ソーシャルログイン(主要プリセット) | ✅ | ✅(Tier 1) |
| 匿名認証 | ✅ | ✅(Tier 1) |
| カスタム OIDC プロバイダー | ❌ | ✅(Tier 2、Identity Platform必須) |
| カスタム SAML プロバイダー | ❌ | ✅(Tier 2、Identity Platform必須) |
| 電話ログイン(SMSコード) | ❌ | ✅(SMS 送信毎に課金) |
| 多要素認証(SMS、TOTP) | ❌ | ✅(Identity Platform必須) |
| カスタムメール/SMS テンプレート | ✅ | ✅ |
| ユーザーアカウント連携 | ✅ | ✅ |
| ブロッキング関数 | ❌ | ✅(Identity Platform 必須) |
| ユーザー操作・監査ログ | ❌ | ✅(Identity Platform 必須) |
| 新規登録クオータ | ✅ | ✅ |
| パスワードポリシー | ✅ | ✅ |
| SMS リージョンポリシー | ✅ | ✅ |
| マルチテナンシー(Google Cloud 管理) | ❌ | ✅(Identity Platform必須) |
| エンタープライズサポート / SLA | ❌ | ✅(Identity Platform必須) |
注意点:無料 Spark プランで Identity Platform にアップグレードした場合は、Tier 1 が 1 日 3,000 アクティブユーザー、Tier 2 が 1 日 2 ユーザー までの上限が付きます。
| Spark プラン(無料) | Blaze プラン(従量課金) | |
|---|---|---|
| Tier 1(メール、電話、匿名、主要ソーシャル) | 50,000 MAU まで無料 | $0/MAU(0~50K)、$0.0055(50K~100K)、$0.0046(100K~100万)、$0.0032(100万~1,000万)、$0.0025(1,000万超) |
| Tier 2(OIDC、SAML) | 50 MAU まで無料 | $0(最初の 50 MAU)、以降 $0.015/MAU |
| SMS 認証 | ❌ | 地域ごとに $0.01 ~ $0.46/件・1日10件まで無料 |
追加事項:
SMS 課金は特に想定外コストになりやすいので詳細に解説します。
例:ドイツから月 2 万回の電話認証 SMS は $0.10 × 20,000 = 月 $2,000。米国なら $200 です。
2026 年 5 月、Firebase Phone Number Verification という SMS を使わない電話番号認証プロダクトが登場しました。SMS コード無し・SIM 情報で認証するため、打ち間違いなど無し&SMS 送信料も不要です。ただしキャリア依存(開始時点で 6 地域10数社のみ連携)、専用料金体系が別途用意されています。ユーザー構成が対応キャリアに偏っていれば SMS コスト削減の切り札ですが、全体置き換えにはなりません。
Firebase Authentication は主に B2C 向けなので、「段階別成長での課金額」が一番現実を反映します。ユーザー数は仮定ですが、計算式は公式通り。
ステージ1・リリース初期:8,000 MAU(メール+Google)・電話認証無し
ステージ2・成長期:6 万 MAU・電話認証追加・米国番号向け SMS 月 2 万件
ステージ3・スケール期:全世界 25 万 MAU・SMS 月 10 万件(米6万、インド4万)
グラフのカーブが示す通り、MAU の単価上昇は緩やかですが、SMS コストは流量と国ごとにリニアに増大。同じアプリでもインドネシア($0.35/SMS)だと 5 倍の SMS 課金になります。
もう 1 ケース:B2B 混在パターン(Identity Platform 価格の公式例より)
エンタープライズ SaaS:メール MAU 45,000、SAML/OIDC MAU 77,000
実際に課金額を左右するのは Tier 1 の MAU レートではなく、SMS の合計数と SAML/OIDC の席数です。コスト見積りで重要なのはその 2 指標です。
このどれかなら現状維持でOKです。移行コストも現実的に高く、「B2B要件ゼロ」のままロングテールな消費者向け用途なら問題ありません。
移行するチームは決して Firebase Auth に不具合があってやめるのではなく、事業がスケールするにつれ「エンタープライズ要件」(SAML SSO・組織単位ロール)が生じて、標準機能だけでは不十分になるためです。
また、欧州顧客からデータ所在地(Firebase Auth のユーザーデータは米国のみ保管)が問題になる場合や、個人向けと法人向けで認証基盤が分裂し、統合管理が困難になるのも理由です。Logto vs Firebase 比較記事 にも、よくあるパターンが紹介されています。
検討を始めるべき典型ポイント:
部分的に無料です。メール・ソーシャル・匿名サインインはどちらのプランでも 5 万 MAU まで無料。電話サインインは常に有料(Blaze プラン+SMS 都度課金)、SAML/OIDC は 50 ユーザー超で 1MAU ごと $0.015。
アップグレード自体は無料・ライセンス料無しです。ただし発生する料金はすべて従量課金(SAML/OIDC ユーザー 1MAU $0.015/SMS 各地域ごとの単価、通常 MAU は 5 万超え分のみ課金)です。上記シミュレーションは全て Identity Platform 有効を前提にしています。
「月間アクティブユーザー」とは、1 ヶ月中に認証(サインイン等)したユーザーのこと。複数回ログインしても 1 カウントです。非アクティブユーザーは無料保管、匿名ユーザーも自動削除有効時は課金対象外。
現時点では Google Cloud の BAA 対象製品リストにありません。PHI(医療情報)を扱う場合、Google のガイドラインでは Identity Platform(Google Cloud 側製品)を推奨しています。ヘルスケア用途の場合、事前に区別を把握して構築してください。
認証だけなら十分ですが、RBAC や組織管理、MFA の範囲が限られる(SMS と TOTP のみ)ため、B2B やコンプライアンス要件がある場合は追加 ID 管理ツールとの連携や専用製品の検討が必要です。
この領域は大きく、「OSS 導入型(Ory、Keycloak)」「開発者フレンドリーな API 専用サービス(Clerk、Stytch)」「エンタープライズ SSO 専門(WorkOS)」などに分かれます。機能差だけでなく、コスト体系で最適解が大きく変化するため、ユーザー構成に合った料金モデル比較が重要です。
Logto は分かりやすい定額制。無料プランで 50,000 MAU・50,000 トークン・カスタムドメインまで無償&クレカ登録不要。Pro プランは無制限 MAU でも $24/月固定=席数・流量連動しません。全要素 MFA(TOTP、WebAuthn パスキーなど)は $48 でアドオン可能。組織=多テナント SaaS 向けは $48 で無制限組織、エンタープライズ SSO 対応も連携一式 $48/コネクタ。OIDC、OAuth2.1、SAML 準拠、30種以上のフレームワーク対応 SDK、コアは OSS なので万一自前運用(セルフホスト)も可能。
例えば「SaaS アプリで 1 万ユーザー・多テナント・MFA・エンタープライズ SSO 接続 2 本」の場合、Logto の合計は $24+$48+$48+($48×2) で月額 $216・完全定額。4 万ユーザーでも同額、MAU 増加で請求額が変わりません。50,000 トークン/月まで込、超過分は $0.08/100 トークン。
機能比較・導入理由の詳細は Logto vs Firebase 関連記事、または 公式無料プラン(5万 MAU+カスタムドメイン、クレカ不要)からの確認推奨です。